★ 雨の匂い １

――いつからだっただろうか。
いつの間にか見回りに出るたび、白髪の男を捜していた。

輝くようなあの銀色を。
無意識のうちに遠回りまでして、万事屋の前やあいつの好きな甘味所の前

なんか通ったりして。
あのムカつくガキにバカにされても「うるせぇ。」としか言えなかった。
自分でからかっといて驚いてやがった。俺も驚いてんだよ、けっ。
何かイライラしたから、庭でミントンやってた部下に八つ当たりした。

近藤さんにこっぴどく叱られた。
どれもこれもあの銀髪パーマのせいだ。くそっ。
とか考えてたら雨まで降ってきやがった。

あのアナウンサー、『今日は全国的に晴天となるでしょう♪』
なんてほざいてたくせに、バケツ逆さまにしたように降ってんじゃねぇか。

傘持ってねぇしな・・・。

「あ～ぁ・・・結野アナの嘘つき・・・・。何だよこの天気・・・。」

・・・気のせいだよな？
いやいや、だって同じ場所で雨宿りなんてそうそうねぇだろ！！
でも今俺が聞いたのは、間違いなく今の今まで会いたいと思っていた奴の声で。
それは俺の隣から聞こえた。恐る恐る横を見ると、鮮やかな銀が広がっていた。
雨だし、天然パーマだから跳ねているかと思った髪は、濡れているせいか、

丸くなっていた。
憂いに沈むその横顔は端整で美しく・・・って、何言ってんだ俺！！
「大串くんも雨宿り？大変だねぇ、公務員さんは～お仕事お仕事で。

　羨ましいよ。俺にも恵んで？」
「るっせぇ、大体俺は土方だ。で、てめぇは何してんだ？」
「ん～？俺はねぇ、そこの団子屋で糖分摂取してきたんだ。」
「そんなもん食うぐらいなら家賃でも払ったらどうだ？

　あの眼鏡がぼやいてたぞ。」
「あんの駄眼鏡。スパイか？あいつスパイかコノヤロー。

別にいいんだよ、家賃は払わなくても死なねー
　が、糖分は取らなきゃ死んじゃうの、俺は！！」
・・・今、心底あの眼鏡小僧が哀れに思えた。
「・・・にしても大串くぅん？いつまでここで雨宿りしてる気？

コンビニあっちにあるよ。」
「そうやって買った傘が屯所にごまんとあるんだよ。

っていうか、大串ってのヤメロ。」
「・・・なるほど。」
「って、無視かよ。・・・まぁいいや。てめぇは？」
「もともと団子分の金しか持ってなかったから。」
「はっ！相変わらずのビンボー生活送ってんのな。」
「うっさい。」
・・・さて、それにしてもどうするか。この様子じゃ雨は止みそうにないし。
まぁ、俺はこのままでも（コイツがいるから）いいんだが・・・。
タバコすおうとここの屋根に入ったら雨が降ってきた俺はいい。
だけど濡れたままのコイツを放っておくと確実に風邪引くな。
以外に病気しやすいみたいだし。
というよりも、あの酢昆布娘に何言われるか分かったモンじゃない。
しゃーない、突破口を切り開くか。
「屯所来るか？」
「え？」
「ここからだと万事屋より屯所の方がちけーだろ。雨止むまで居ろ。」
「いや、傘借りる程度でいいってば。」
「酢昆布娘と総悟に何言われるかわかんねーだろ。」
「・・・たしかに。」
「きまりだな。」
「えっ？！ちょっ・・・」
あ、しまった。傘貸すって言って、次会う約束取り付ければよかった。
とか不毛なことを考えながら、とりあえず俺達は屯所へと向かった。



～あとがき～
・・・あれ？自覚前？
次会う約束～って、自覚前？
あれ？じか（もういい）
うん、好きだってこと、馬鹿だから分かんないんだ。（辻褄あわせだな）
馬鹿だから。（何で二回言った？何で二回言ったんだ？え？）
まあ、初めての土銀小説にしてはいいんじゃないですか？
というか、二人がめっさ書きやすい事に気が付きました。
アレンや神田やラビよりも断然書きやすい！！
どうしよう！ハマリそう（どうでもいいよ）
駄文失礼致しました･･････････････････（『・』が長い！）